時代を現すキャッチコピー

時代の文脈を時に読み取り、時に先だって作ってきたキャッチコピー。それらを紹介しています。

5年前は、

 

5年前は、 だれを好きだったんだろう。

 

C=魚住勉

CL=東急(1993年)

 

バブル崩壊後の、東急百貨店のコピー。

何でも揃う場所だからこそ、物を見て色んな思いが過りますが、ふと過去を振り返り……。

 

男は名前を付けて保存。女は上書き保存。

このコピーは女性の視点に立っているような気がします。

忘れていたことを

忘れてたことを思い出すのは
どうしていつも夜なんだろう。

C=阿部祐樹

CL=三和銀行(1997年)

 

忘れていたことが何なのか、それは人それぞれです。

 

大切な約束(あ、そういえば)

妻の誕生日(これはまずい)

結婚記念日(去年も怒られた)

返済計画(大問題だ)

 

銀行のコピーとは思えない、抒情的で綺麗なコピーです。
 

 

せっせ、せっせ、と

せっせ、

せっせ、 と働いて

キャッキャ、

キャッキャ、と遊ぼうよ。

 

C=中谷典久

CL=学生援護会・日刊アルバイトニュース(83年)

 

キャッキャッ、という語呂が耳に心地よいコピーですね。

1883年のアルバイト事情も昨今に似通っている面が伺われるコピーです。

バカンスとは、

バカンスとは、

大してお金を使わなくても

楽しかった一日のことです。

 

C=梅本洋一

CL=良品計画無印良品(95年)

 

時に大胆で、新鮮な定義を社会に提出するのもキャッチコピーの重要な役割です。

現在の日本経済を鑑みると、今打ち出されても何ら違和感のないコピーです。