時代を現すキャッチコピー

時代の文脈を時に読み取り、時に先だって作ってきたキャッチコピー。それらを紹介しています。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

僕が母のことを

僕が母のことを 考えている時間よりも 母が僕のことを 考えている時間の方が きっと長いと思う。 C=村田 徹 CL=日本電信電話・電報サービス(92年) 携帯電話が流通していなかった当時では、電報が大きな役割を果たしていました。 しかし今見ても、よいコピー…

大きくなったら、

大きくなったら、 お父さんになるんだ。 大きくなったら、 お母さんになるの。 C=杉山明人 CL=味の素ゼネラルフーヅ・コーヒー(86年) 食卓と共にある味の素のコピー。 夜に灯る、人家の明るい照明。どこかそんな心温まるコピーですね。

独身最後の

独身最後の親孝行は、 結婚なのです。 C=奈良坂 進 CL=オーエムジー・結婚紹介(85年) 拝啓、1985年へ。 少子高齢化の進展と共に、男性の初婚年齢は30歳を超えました。 生涯未婚率が30%を超えた2014年では、耳に痛い言葉です。

父は、博多では

父は、博多では 35歳で通している らしい。 C=鹿島 進 CL=花王・ヘアマニキュア(95年) 単身赴任の父親が、三十五歳で通しているという……いつまでも男性であってほしい。そんな花王のヘアマニキュアのコピーです。個性的なコピーで目を引きますね。

遊んでいるのではない

遊んでいるのではない。 給料に合わせて 働いているのだ。 C=田中康嗣 CL=サントリー・リザーブ(89年) バブル期の日本では、こんなキャッチコピーも打つことが出来たんですね。 なかなか今のご時世では言う事も、思う事も出来ない時代を反映したコピーです。

彼よりも

彼よりも課長の顔を 見ている時間が長いのは 不自然だ。 と気づいた 京都のお庭でした。 C=岡部正泰・小林秀雄 CL=東海旅客鉄道(92年) 京都の庭で、日常を離れてふと気づく。 そんな一瞬の感性を見事に切り取ったキャッチコピー。 どこかに枯淡の味わいもあ…

ビジネスが

ビジネスが いちばん ロマンチックだ。 C=竹内基臣 CL=日本経済新聞(86年) プラザ合意。日本が経済的にノリにノッテる時期のコピーですね。 今の時代では、さすがの日本経済新聞様でもこのようなコピーは打てませんが……。 まさに時代とともにキャッチコピー…

サラリーマンという

サラリーマン という仕事は ありません。 C=糸井重里 CL=西武セゾングループ(88年) このコピーは88年のものですが、流石の糸井重里。 2014年の今、就活性にみせても何ら違和感のないコピーです。

女性の美しさは

女性の美しさは 都市の一部分です。 C=土屋耕一 CL=資生堂・インウイ(82年) 資生堂らしい、シンプルにして力強い、男女の心に響く秀逸なコピー。 同じようなことを三島由紀夫もいっていましたが……美の追求者の行き着くところは、皆同じなのかもしれませんね。

もしも、女性に

もしも、 女性に魅力がなかったら、 人類は、 この先どうなるでしょう。 C=一倉 宏 CL=ポーラ化粧品(92年) 人類は皆、女性から生まれてきます。 そんな女性に魅力を感じなくなったら……行き着く先は、人類滅亡ですね。 時に一つのキャッチコピーが、容易に一…

少年少女は、

少年少女は、 過去だ。 が、おじいさんおばあさんは、 未来だ。 C=佐々木 宏 CL=フジテレビジョン(92年) フジテレビの広告ですが、世界で最も少子高齢化が進展した現代から見ると……。 色んな含みのあるコピーとして映りますね。時代を経ても人々に問いかける…

ダイヤは

ダイヤは哀しみを殺せます。 C=藤原大作 CL=日本鉱業・ジュエリー(89年) 感じている確かな思いも、言葉ではなかなか伝わりません。 そんな時には、ダイヤモンドを。

負けても

負けても楽しそうな人には、 ずっと勝てない。 C=岩崎俊一 CL=セゾン生命(95年) 人間である限り、誰でも自尊心があり、誰でも闘争心が有ります。 しかし「いや~負けちゃったなぁ」と笑える人間。 そういう人には、その場で勝てても、もっと大きな戦いで負け…

世の中、

世の中、バカが多くて疲れません? C=仲田貴志 CL=エーザイ・チョコラBBドリンク(92年) これも口には出せない本音ですね。 コピーは多くの人から共感を得てこそ、キャッチになります。 しかし今の時代だと、クレームが多そうでなかなか発表できないコピー…

毎日生きてりゃ、

毎日生きてりゃ、腹も立つ。 C=加藤英夫 CL=サントリー・ロイヤル(95年) サントリー・ロイヤル(ウイスキー)のコピーです。 生きるとは腹が立つこと。ならせめて夜は、のんびりお酒を傾けましょう。 この一言から、そんな哲学が匂ってきますね。 今夜はウイス…

音楽は

音楽は時代に咲く花だ。 C=安念 俊彦 CL=パイオニア・オーディオ(80年) キャッチコピーのお手本のような、短くも力強く、美しい言葉。 最近はボディーコピーが流行っていますが、やはりキャッチコピーはいいなぁと思わせる作品。

私だって、日本経済を

私だって、 日本経済を支えているひとりなんだから、 もうすこし、幸せにしてほしい。 C=一倉 宏 CL=学生援護会・サリダ(91年) 具体的に社会に立脚してない。でも税金は納めている。 そんな学生の本音、学生自身すら気づいていなかったかもしれない思いを綴…

時代が悪い。それだけのこと。

黙って、唄え。 唄ったら、泣け。 泣いたら、逃げろ。 そう、たぶん、 時代が悪い。 それだけのこと。 C=藤原大作 CL=マザー&チルドレン(88年) 時代が悪い。それだけのこと。 時代のせいにはしたくない。 でも心の中にはその本音が……。 時には自分で口に出…

天才は しばしば

天才は しばしば 変な奴だ。 安心しろ。 C=田中康嗣 CL=東京ガス銀座ポケットパーク・卒業設計製作大賞作品募集(88年) 言葉通り、確かに天才と言われる人は独特の人が多いですよね。 果して彼らが本当に変な奴なのか、それとも僕たちが彼らの認識に追いつい…

ことばの花束で胸を撃て

ことばは人に選択され、フレーズとして繋がれ、石になり、花になり、草原になり、荒野にもなり、笑い、怒り、走り、飛び、涙となって頬を流れ、やがて乾き、忘れ、遠ざかり、近づき、夢になり、結晶し、魂となり、星になって銀河へ行く。 ことばの花束で胸を…